1 相続税のしくみ
~相続税はいくらからかかる?税理士がわかりやすく解説~
相続税は、実は約9割の家庭でかかりません。
しかし、計算方法、特例、申告期限などを知らないと、数百万円損することがあります。
このページでは、相続税のしくみについて分かり易く解説します。
1 相続税とは
相続税とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続したときにかかる税金です。
対象になる財産は次のようなものです。
【相続財産の例】
・不動産(土地・家)
・預金
・株式
・投資信託
・生命保険金
・車
・貴金属
・事業用資産
つまり、「亡くなった人の財産の一部を税金として納める」という仕組みです。
2 相続税はいくらからかかる?
相続税には、基礎控除というものがあります。
この金額以下なら相続税はかかりません。
| 基礎控除の計算: 3000万円 + (600万円 × 法定相続人の人数) |
例)
| 相続人 | 基礎控除 |
| 配偶者+子1人 | 4200万円 |
| 配偶者+子2人 | 4800万円 |
| 配偶者+子3人 | 5400万円 |
つまり、遺産が5000万円でも、相続人が3人なら税金ゼロのケースも多いです。
3 相続税の税率
相続税は、超累進税率です。つまり、財産が多いほど税率が上がる仕組みです。
【相続税の速算表】
| 各相続人が取得する金額 | 税率 | 控除額 |
| 1000万円以下 | 10% | — |
| 3000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7200万円 |
4 相続税の計算方法
相続税の計算は、次の5ステップです。
| ①遺産総額 ↓ ②基礎控除を引く ↓ ③法定相続分で分ける ↓ ④税率をかける ↓ ⑤各人の税額 |
具体例)
遺産:8000万円
相続人:配偶者+子1人
法定相続分で相続する:配偶者1/2、子A1/4、子B1/4
基礎控除:3000万+600万×2=4200万
課税遺産:8000万−4200万=3800万
配偶者の税額:3800万×1/2=1900万⇒※配偶者の税額軽減額により課税なし
子の税額:3800万×1/4=920万×10%=92万(子A・Bそれぞれにかかる)
5 相続税の申告期限
相続税の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。
この期限までに、申告と納税を行う必要があります。
6 相続税の申告方法
被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署へ申告します。
【手順】
| ①財産調査 ↓ ②遺産分割協議 ↓ ③相続税計算 ↓ ④申告書作成 ↓ ⑤税務署提出 |
7 配偶者控除(最強の控除)
配偶者には、非常に大きな控除があります。
| ・配偶者控除:1億6000万円 または ・法定相続分 のどちらか大きい方 |
つまり、配偶者が相続する場合、多くのケースで相続税ゼロになります。
8 小規模宅地特例(最強節税)
相続税で最も有名な特例です。
自宅の土地は、最大80%減額できます。
例)
| ・自宅の土地評価額:3000万円 ↓ ・小規模宅地適用できる場合の評価額:600万円(評価8割減) |
9 相続税の税務調査
相続税は、税務調査率が高い税目です。
調査率は、約20%。
つまり、5件に1件調査が入ると言われています。
よく見られるポイントとしては、以下の項目があります。
| ・名義預金 ・生前贈与 ・海外資産 ・預金以外の現金 |
税務調査が入るまでの流れは以下の通りです。
| 相続申告 ↓ 税務署チェック ↓ 疑問あり ↓ 税務調査 |
10 税理士に依頼するメリット
税理士に相続税申告書作成と申告を依頼するメリットとして、
・相続税が減額できる可能性があること
・税務調査対策
・申告ミス防止
が挙げられます。
また、相続税では申告書を作成した税理士によって税額が変わることもあります。
相続税を得意とする税理士に依頼をすることにより、適正な計算をしてできるだけ税額を抑えながら、間違いのない内容で申告することで、後々の税務調査リスクもなくすことが可能です。

